最終更新日 2015年8月1日
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6月下旬ごろより夕方に太鼓や鉦の音が聞こえるようになり、「あー、今年も祇園さんが近づいてきたな」と実感します。誰でもが「祭り」といえば故郷をまず思い浮かべるでしょう。私は長く郷里を離れていて、私の祭りといえば、長崎の「おくんち」と戸畑の「祇園山笠」です。どちらも国指定の重要民俗文化財に指定されています。「長崎くんち」は諏訪神社の秋季大祭(10月7,8,9日)で、江戸時代より奉納踊りにはその年の当番の踊町(7ヶ町あり、当番が7年ごと回ってきます。)が豪華絢爛なる演じ物を披露します。その年の「くんち」は6月1日に神前でお祓いを受けて演じ物の稽古に入ることから始まります。
7月1日より京都の祇園祭と博多の祇園山笠が始まり、福岡県の各地から夏祭りの頼りが届いてきます。私は祇園山笠を担いだことはないのですが、太鼓、鉦、笛の音を聞くと懐かしさを感じます。戸畑祇園は7月13,14,15日の3日間行はれていたのが7月下旬に変更されて競演会までに発展しているのには驚きました。そこで戸畑祇園のルーツを調べてみました。江戸時代後期の1802年(享和2年)戸畑地区に疫病が蔓延した時、神社に祈願したところ、疫病が収まり。感謝の意を込めて村人たちが山笠を作って奉納したことが始まりと伝えられています。太平洋戦争とため昭和13年から21年まで山笠行事は中止され昭和22年より再開されたそうです。戸畑祇園の特徴は昼の幟山笠と夜の提灯山笠と姿を変えることで、全国にも例がないそうです。現在では小学生が引く幟山笠や人形山笠、中学生が担ぐ小若山笠、そして昔からの大山笠です。山笠運行に合わせて太鼓、鉦、あわせ鉦、横笛を使った祭囃子が数種類あり、奏でられます。4地区(東、西、天籟寺、中原)の祭囃子も微妙に違いがあり、聞き分けるのも面白いものです。中日の夜は飛幡八万神宮横の浅生公園での提灯山笠の運航は壮大なものです。